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免震装置関連出願中特許

ZEN02-T002
導電性球体スイッチ及び電磁弁を作動させる着磁電源回路から構成されるUPS(無停電電源)回路とから成る免震機能回復重力作動機構およびそれらを用いた軽量免震構造体

弊社にて出願中の免震装置関連特許についてご説明します。
弊社では、関心をお寄せの企業・個人に対し、特許の占有実施権、あるいは通常実施権の供与を考えています。以下の特許技術にご関心がおありのかたは、ぜひご連絡をお寄せください。


<出願中特許>
導電性球体スイッチ及び電磁弁を作動させる着磁電源回路から構成されるUPS(無停電電源)回路とから成る免震機能回復重力作動機構およびそれらを用いた軽量免震構造体
書誌
明細書
発明の詳細な説明
図面/図面の簡単な説明

【書類名】   特許願
【整理番号】  ZEN02−T002
【提出日】   平成14年5月24日
【あて先】   特許庁長官 殿

【書類名】  明細書                     
【発明の名称】 
導電性球体スイッチ及び電磁弁を作動させる着磁電源回路から構成されるUPS(無停電電源)回路とから成る免震機能回復重力作動機構およびそれらを用いた軽量免震構造体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
免震機能回復重力作動機構を作動させるための電磁弁に電源を供給するUPS(無停電電源)一次回路を閉(オン)じる信号変換電磁リレー回路を伴う直流電源二次回路で、地震波感知に伴い導電性球体が外輪状に配線された開(オフ)いた二次回路を閉(オン)じるトリガーを特徴とする導電性球体スイッチ。
【請求項2】
外部(屋外)商用交流電源から住宅室内側に設置された、常時充電されるUPS(無停電電源)一次回路で地震時のフェイル-セイフ機構を確保し、広域激震時に外部電源が切断された状態でも、常時充電された一定電圧の室内直流電源により、無瞬断で負荷としての電磁弁を電磁リレーにより起動し、切頭円錐状重垂を重力により落下させることにより免震機能回復重力作動機構を動作させることを特徴とする電磁弁スイッチ。
【請求項3】
円錐状重垂の頂部を切断した切頭円錐状重垂は、重力の作用により落下せしめるため、切頭円錐状重垂は下から上へ押し上げるように貫入する。  重垂を切頭円錐状にすることにより上下二枚の鋼鈑を繋ぐ、断面積を増やす事が可能で、強風時に水平せん断力による鋼鈑の支圧または側圧に余裕を持って対応し、かつ直下型の強震時にも切頭円錐状重垂の落下時に上板を横切る時間を出来るだけ短くするように、すなわち強震時に瞬時に上部建屋と基礎を切断(アイソレイト)することを特徴とする切頭円錐状重垂。
【請求項4】
請求項1、2、3を組み合わせることにより構成される、強震時に瞬時に上部建屋と基礎間は本来の免震機能回復せしめることを特徴とする免震機能回復重力作動機構。 またこの免震機能回復重力作動機構を風圧に対して水平動を伴うような軽量な住宅および構築物に用いた免震構造物、また風と地震のような自然水平外力を区別することを求められる用途の構造体。


【発明の詳細な説明】                        
【0001】
【発明の属する技術分野】 
建築構造物の中でも軽量な戸建住宅を強風時には強風に耐えて水平移動しないよう、また地震時には建屋上部構造体が基礎との間に自由な相対変位がとれるよう、建物に入る地震力をアイソレイトする免震装置の機能を確保する必要が有る。 本発明は、動作速度が早く、安定した、また管理が容易な電気回路とその磁力と切頭円錐状重垂の重力と言う、間違い無く働く不変な力を利用した免震機能回復重力作動機構である。
【0002】
【従来の技術】
構造物の免震構造は基本的には構造物の重力(鉛直力)を支える機構と地震力(水平力)に対し構造物と基礎との間に水平剛性を低く押さえ長周期化する機構の両者から構成され、この構成された機構を免震装置(免震システム)と呼称している。 ここで、問題になる点は、自然界に存在する日常の水平力には、風力と地震力があり、この免震装置(免震システム)は前者の風力に対しては非免震的に、後者の地震力に対しては免震的に機能させることが必要となる。
【0003】
 免震装置(免震システム)は、この風力と地震力とを区別する多くの工夫が提案され
ている。 大きく区分すると以下のようになる。
(1) 日常、常に構造物と基礎間は風、地震の水平力に対しては切り離されており、
いわゆるアイソレイトされた状態になっている。 いつなんどき強震に見舞われても、免震機能が働き、震害から免れることになる。 では、構造物と基礎間がアイソレイトされた状態で、風の水平力に対して構造物が基礎に対して静止させる工夫は何かということになる。 種々の方法があるが、基本的には屋根上に風速計を取り付け5分なり10分なり、ある時間の平均風速から、風速が有る限度を越えたら、風による水平力に耐えうるよう構造物と基礎間をロックする機能を用意する方法がとられている。
(2) 一方、日常、常に構造物と基礎間は風、地震の水平力に対しては固定されてお
り、いわゆる非免震状態になっている。 風に対しては常に安全である。 では強震に見舞われた場合、震害から免れるにはどのような工夫が必要かということになる。 風の襲来は天気予報などにより、風害は避けることの準備ができる。 一方、地震は、その発生の予知には努力はされているが、基本的には難しい。 一つの方法として、広域規模の地震に対してはガス圧力の低下を検知して、構造物と基礎間の固定を解除(アイソレイト)することも提案されている。 
 いずれにしても、(1)または(2)の方法の択一となる。


【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、【0003】の(2)の方法がとられている。 自然界に存在する日常の
水平力には、風力と地震力があり、免震装置がその機能を発揮するために、(免震システム)は前者の風力に対しては非免震的に、後者の地震力に対しては免震的に機能させることが課題となる。  
【0005】
そのため、開発した装置が、風力と地震力を区別出来る事、装置が電気回路を用いているため障害、落雷、停電などのトラブル時にも動作する事、また取りつけられた幾つかの固定装置が瞬時にかつ同時に安定して作動し、構造体と基礎の固定を解除し、本来の免震機能を発揮できるようにする事が課題となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
地震感知器を風の影響を受けない室内置きとした。 
【0007】
障害、落雷、停電などのトラブル時にも動作するために、バックアップ電源として用いられるUPS(無停電電源)回路とした。  
【0008】
地震感知器としては導電性の球体を、受け皿中央のリング状に配置した微小突起上に置き、初期地震入力と同時に、球体がこれら微小突起から外れ、受け皿外周に転がり落ち、受け皿外周にリング状に設けた電気的開放ブリッヂを閉(オン)じ、この導電性の球体がスイッチの役目を果たす。 
  【0009】
地震を感知し、【0008】のスイッチが閉じると、UPS(無停電電源)回路で、常時蓄えられたパルス電磁タイプ(コンデンサー式)着磁電源を電源として着磁コイル回路を動作させ、電磁弁の負荷に電源を供給する。 
  【0010】
停電時にもUPS(無停電電源)回路を構成しているため、無瞬断で負荷に電源を供給する。
【0011】
パルス電磁タイプ(コンデンサー式)着磁電源から開放された電源により電磁弁を作動し、重垂を重力で落下させ構造体と基礎の固定を解除します。 また着磁電源から開放された電源は直列直流回路を構成しているため、機械的な方法と異なり、幾つかの重垂をも同時に安定に落下させ構造体と基礎の固定を解除します。
 
【発明の実施の形態】
   【0012】
 図1に示すように、初期地震波感知作動導電性球体スイッチ1、UPS(無停電電源)回路2、パルス電磁タイプ(コンデンサー式)着磁電源3は建屋室内側に、また着磁コイル及び電磁弁4、免震機能回復重力作動機構5、切頭円錐状重垂6および免震装置9は屋外の建屋鉄骨架台と基礎間に配置する。 また日常は、基礎上に設置された免震機能回復重力作動機構上板7と建屋鉄骨架台下板8は切頭円錐状重垂6により固定されている。
   【0013】
図2に、電気回路の一次回路また二次回路を構成する初期地震波感知作動導電性球体スイッチ1、UPS(無停電電源)回路2、パルス電磁タイプ(コンデンサー式)着磁電源3、着磁コイル及び電磁弁4他のシーケンス制御回路の概念図を示す。
  【0014】
また、パルス電磁タイプ(コンデンサー式)着磁電源3、着磁コイル及び電磁弁4を起動する初期地震波感知作動導電性球体スイッチ1を図3に、免震機能回復重力作動機構5を構成する着磁コイル及び電磁弁4及び切頭円錐状重垂6を図4に示す。
【実施例】
   【0015】
 図2に示すように、UPS(無停電電源)回路は商用電源(交流)を入力とし、二次回路は整流器を介し充電器から直流とし蓄電池に蓄えられ初期地震波感知作動導電性球体スイッチ1を作動し、一次回路はパルス電磁タイプ(コンデンサー式)着磁電源3に蓄えられ、地震時に着磁コイル及び電磁弁4を作動させる。
   【0016】
 地震後は着磁コイル及び電磁弁4を閉(オフ)じるために、遅延時間電磁リレーを介して、電源が遮断される。 また二次回路の漏電検知電流計、蓄電池の電圧計などの検知回路も屋内に配置される。
【0017】
 図3に示す、初期地震波感知作動導電性球体スイッチ1の細部を説明する。 球体
10に球体(Fe)と電触を起さず、防錆素材で、耐摩耗性があり、かつ電気導電性の高い無電解ニッケル(Ni−B)などの被服材11がメッキされており、転がり導電性球体10は、日常、球体落下防止外輪状受け皿12中央の球体受け突起13上に静置している。
   【0018】
 地震波を感知し、球体10が球体受け突起13を外れ、転がり球体落下防止外輪状受け皿14で止まり、二次側電源回路の導電性球体受け皿二重リング状接点スイッチ15、16を閉(オン)じ、一次側電源回路のパルス電磁タイプ(コンデンサー式)着磁電源3から電流が流れ、着磁コイル及び電磁弁4を作動させる。 球体10が球体受け突起13を外れる力は、球体10の質量、直径および球体受け突起13の高さに依存する。
また、このスイッチ感度は免震機能を働かす装置の入力加速度レベルにより任意に設定できる。
   【0019】
着磁コイル及び電磁弁4が作動すると、図4に示す切頭円錐状重垂6のフック17
から電磁弁4が引かれ、切頭円錐状重垂6は重力により落下し、上部建屋と基礎間は力学的に切り離され(アイソレート)、本来の免震機能が復帰する。  切頭円錐状重垂6頂部の直径D1は底部の直径D2との関係は以下となる。
  【0020】
【数1】
D1<D2 ・・・(1)
   【0021】
式(1)は切頭円錐状重垂6が重力により落下する条件であるが、他に切頭円錐状重垂貫通孔との接触抵抗も円滑な落下の条件となる。 接触抵抗を小さくするためには、四フッ化樹脂(PTFE)処理層19を設ける事も必要となる。 また、切頭円錐状重垂6の高さH1は
【0022】
【数2】
H1>T1+T2 ・・・(2)
【0023】
を満たし、切頭円錐状重垂6頂部のレベルは、常に上部構造体受け架構上板8のレベル以上である。 茲に、T1は上部構造体受け架構上板8の厚み、T2は基礎部の免震機能回復重力作動機構下板7の厚みである。
   【0024】
 円錐状重垂の頂部を切断し切頭円錐状重垂6とした止め具は、断面積が大きくとれるので、上部建屋と基礎を強固に貫通固定していた上下二枚の鋼鈑を出来るだけ薄く加工できることを可能にしている。 すなわち、出来るだけ薄く加工できることは、強風時に水平せん断力による鋼鈑の支圧または側圧に余裕を持って対応し、かつ直下型の強震時にも切頭円錐状重垂6の落下時に上部構造体受け架構下板8を横切る時間を出来るだけ短くするように、すなわち強震時に瞬時に上部建屋と基礎間は力学的切断(アイソレート)され、本来の免震機能を回復せしめることを可能にしている。
   【0025】
切頭円錐状重垂6を下から上へ押し上げるように貫入することにより、上部建屋の重
                                   (7)
量(重力)と強固な基礎間のジャッキのセットを硬固としたものにし、下から上へのジャッキ押し上げが、容易かつ安全である事を特徴とする免震機能回復重力作動機構。 この装置を2基以上配置することにより、地震後に伴う上部建屋と基礎間の多少の捩れ、ずれを地震前の状態、すなわち原点復帰を可能ならしめる事を特徴とする切頭円錐状重垂としている。
【発明の効果】
【0026】
免震機能回復重力作動機構を作動させるための電磁弁に電源を供給するUPS(無停電電源)一次回路を設ける事により、地震時のフェイル-セイフ機構を確保し、広域激震時に外部電源が切断された状態でも、常時充電された一定電圧の室内直流電源により、無瞬断で負荷としての電磁弁を電磁リレーにより起動し、切頭円錐状重垂を重力により落下させ、すなわち強震時に瞬時に上部建屋と基礎を切断(アイソレイト)し、免震機能回復せしめることを可能にした、また動作速度が早く,安定した、また管理が容易な免震機能回復重力作動機構としている。 
【図面の簡単な説明】
【図1】免震構造物、免震機能回復電源回路及び切頭円錐状重垂の配置

【図2】UPS(無停電電源)回路及び免震機能回復重力作動機構を作動させる着磁電源回路などのシーケンス制御機構の概念図

【図3】初期地震波感知作動導電性球体スイッチ

【図4】免震機能回復重力作動機構を構成する電磁弁スイッチ及び切頭円錐状重垂

【符号の説明】
1・・・初期地震波感知作動導電性球体スイッチ
2・・・UPS(無停電電源)回路
3・・・パルス電磁タイプ(コンデンサー式)着磁電源
4・・・着磁コイル及び電磁弁
5・・・免震機能回復重力作動機構
6・・・切頭円錐状重垂
7・・・基礎部免震機能回復重力作動機構下板
8・・・上部構造体受け架構上板
9・・・免震装置
10・・球体
11・・導電性皮膜材
                                    (8)
12・・球体外輪状受け皿
13・・球体受け突起
14・・球体落下防止壁
15・・球体受け二重リング状内側接点スイッチ
16・・球体受け二重リング状外側接点スイッチ
17・・切頭円錐状重垂受けフック
18・・切頭円錐状重垂貫通孔
19・・四フッ化樹脂(PTFE)処理層
D1・・切頭円錐頂部外径
D2・・切頭円錐底部外径
H1・・切頭円錐体高さ
T1・・上部構造体受け架構上板厚み
T2・・基礎部免震機能回復重力作動機構下板厚み

 
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