現在、戸建免震住宅一般(システム)センター評定の取得会社は以下の4社かと思います。
住友建設(THK社製のループベアリング(CLB)免震支承+積層ゴムダンパー装置)
一条工務店(BS社製の滑り支承+積層ゴムダンパー装置)
大和ハウス工業(神戸製鋼社製の二重皿転がり支承+油圧減衰装置)
積水化学工業(神戸製鋼社製の二重皿転がり支承+油圧減衰装置)
他に、数多く個別評定を提出している会社としては、
鹿島建設(カヤバ工業社製のダブルベアリング+油圧減衰装置)
昭和電線電纜(ダブルベアリング+積層ゴムダンパー装置)
などがあります。 この他、数多くの戸建免震住宅用免震装置が考案されていますが、免震支承(デバイス)は大きく分けて、次ぎの二つに分けられるかと思います.
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A |
B |
加速度低減率
(免震性能)
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1/5−1/8
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1/3−1/4 |
支承 |
ダブル(ループ)
ベアリング |
滑りまたは
シングル ベアリング |
摩擦係数 |
0.01−0.007 |
0.04−0.08 |
減衰 |
油圧または積層ゴム |
積層ゴムが有る
場合と無い場合 |
システム価格 |
500―600万 |
200―350万 |
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ただし、システム価格には鉄骨架台、風固定装置、排水系他の施工価格が含まれたものです。
戸建て免震住宅の支承はA)は問題は少くないのですが、B)については多少、問題点があります。
それは、B)の滑り支承は下皿がフラットな場合(B1)と角度が2.5−3.0度有る場合(B2)の二つに分けられますが、明白に異なる点は、重力の影響です。
B1)
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フラットな場合は、原点復帰に無理な場合が有る.
地震波は地震終了時に加速度は、漸近的に収束するが、滑り支承はその原理から、動きが原点付近に戻る時、動摩擦から静止摩擦に移行するが、油圧、また積層ゴムいずれも原点に戻る際の弾性(油圧)エネルギーは小さく、すでに原点復帰に貢献する力は既に持ち合わせていない。 故に、原点復帰は果たせなく、残留変位が予想される。 |
B2) |
滑り支承の下皿が角度2.5−3.0度の場合は、フラットな場合に比べ、地震時に動き出す、すなわち免震効果が現れる地震の大きさは、皿に勾配が有るゆえ、重力に逆らう分性能が落ちる。
ただ、フラットな場合に比較し、原点復帰については、地球重力が働き、原点復帰はB1)に比較し容易である。 |
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雑感として、B1)は地震時に動き出す性能は幾分良いが、原点復帰が出来無い場合がある。
またB2)は地震時に動き出だす性能はB1)に幾分劣るが、原点復帰は可能性は高い。
A)は強震時に震度7が震度1−2に低減でき、B)は強震時にも震度7が震度3−4に低減できます。B)の装置は地震の大きさに係らず、静止摩擦が切れるときに性能が決定され、摩擦係数で決まり、おおまかに言えば、強震時の性能は100―150ガル前後です。震度で言えば3−4かと思います。関東で言えば震度3は1―2年に1度、震度4は10年に1度の経験で、被害はほとんど皆無です。
A)の装置で二重皿タイプは、二重皿に挟まれた鋼球と二重皿の摺動性に疑問が残り、B2)のフラットタイプと同じで、原点復帰と言う事より、地震終了後の鋼球の位置はさまざまの位置に取残されるのではないかと危惧されます。
個別評定は次ぎのような構成になっています。
1) 採用した免震装置(部材認定取得済み)と上部構造との適合性
2) 上部構造の非免震耐力の検討
3) 現地地盤の調査および工学基盤からの地表地震波の作製の妥当性
4) 地表地震波に対する非線型履歴応答解析の検討
5) 評定を受ける会社の、社内基盤体制
これらについて、妥当性を問うセンター評定会議は個別で、1−2回程、一般では5−7回程が行なわれ、厳密な審査が行なわれます。
一般(システム)評定を目的とするためには、2−3件の個別評定と1件の免震実建物が必要となります。 免震実建物は一般には住宅メイカーの自社展示場また自社独身寮ほかを使っているようです。 その後、強震計を取り付け、地震記録を取る事も必要になってくるかと思います。
詳細はおといあわせください。
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