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ウエーラー( Friedrich WÜhler 1800-1882 ドイツ 化学者)

ウエーラーはドイツのEschersheim で生まれ、Marburg-heidelberug 大学で当初は医学を学び、後に化学に興味を抱くようになる。 1836年にGöttingen 大学の化学の教授となる。

専門は有機化学系の物質、特に尿素( urea ) CO(NH2)2 についての研究で著名である。
また、1827-1828年にベリリユーム( Beryllium )及びアルミニュウム( Aluminium )を金属固体として見出した。有機及び無機化学の著書「 Outlines of Organic Chemistry 」を1840年に著す。 

アルミニュウムはイギリスのHumphry Davyが「みょうばん(無色透明な正八面体の結晶体)鉱石」を電気分解して発見したAluminaをウエーラーがさらに研究しアルミニュウムを金属固体として見出した。 その後、アルミニュウムの鉱石(ボーキサイト)からの分離はフランスのClaaire Devilleにより改良され、現在のアルミニュウムの製法については米国のMartin HallとフランスのPaul Heroult により個別ではあるが、同時に1886年、Hall-Heroult製法として工業化された。 

アルミニュウムの語源は「みょうばん( 英語のalum )と光る物を表す( ラテン語のalumen )」の造語である。 みょうばん(明礬)は私たちにとっても身近な物で、別府温泉の「湯の花」もみょうばんで、昔から染色、医薬用として用いられていた。 アルミニュウムは建築材料他、私達の生活にはなくてはならない素材である。 アルミニュウムは鋼( steel )に比較し軽量ではあるが、強度が弱くまたヤング係数が低いため構造材としては不向きである。

アルミニュウム95%、銅( Copper )4%、マグネシューム( Magne-sium )0.5%、マンガン( Manganese )0.5%を基本組成とした軽量で強度(比強度=強度/質量 specific strength)の高い合金ジュラルミン( Duralumin )が1906年ドイツのDÜrenで冶金学者ウイルム(Alfred Wilm)によって発明された。 ジュラルミンの語源は「ドイツの(Düren)とアルミニュウム( Aluminium )」の造語である。 

ただジュラルミンは航空機に用いた場合、空気との摩擦熱による強度の低下が問題で、現在ではチタン(チタニュームTitanium )にアルミニュウム、ジルコン( Zircon )、スズ( Tin )、モリブデン( Molybdenum )を組成としたチタン合金が使われている。 チタン合金(比重=4.5)はアルミニュウム(比重=2.7)に比べやや重いが強度が6倍あり、鋼(比重=6.8)よりも軽く、強度も2倍あり、さらに耐熱性、耐食性に優れ、ジェット航空機の主翼、エンジンまた原子炉冷却期の主要部に用いられている。 

アルミニュウムは、米国の地質学者クラーク( F.W.Clarke 1847-1931)が1924年に示したクラーク数(地殻中の元素の存在度)では7.56で1位、鉄(4.70)2位よりも多い。 ちなみに酸素( oxygen )なども含めたクラーク数の10位までの元素を合わせると、地球の重量の99%を占める。 クラーク数は1924年当時の推定値であり、現在は考えが少し違うようであるがここでは概略に留める。

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