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アンドリュー・カーネギー ( Andrew Carnegie 1835-1919 スコットランド )

 カーネギーはScotland東部のDunfrmlineで貧しい手織機職人の子として生まれる。  カーネギー一家は水力織機の工業化に押されて失業し、1848年に米国のAllegheny、Pennsylvaniaに移民する。 カーネギーは一家を助けるために、移民した13歳の時から多少馴染みのある紡績工業( a cotton mill )の糸巻き工 ( A bobbin boy )として働く。 その後カーネギーは51歳で結婚するまで勤勉に働くだけの半生であった。 

 ただカーネギーには時代を見る目があり、常に時代の潮流に乗った仕事に就いた。 つぎに就いた仕事は、発明されたばかりのモールス電報配達夫となり、仕事の合間を見てモールス信号とその電信キー操作を習得するような勤勉さがあった。 その後、広大な米国に鉄道時代が到来していたので、Pennsylvania Western Union鉄道に勤めた。 そこでの勤務中に、たまたま起きた事故の連絡にモールス信号と電信キー操作の技術が、ただちに脱線事故の復旧に役立ち、またその技術によって、a Western Union鉄道の列車稼働率を4倍迄高め、カーネギーの手腕は高く評価された。 

 そこでも上司に可愛がれ、会社の管理、経営、投資についても勉強した。 また節約に努めコツコツ勤めた資金を鉄道会社に投資し、28歳の時点では13歳の時の年収の20倍にもなっていた。 その後カーネギーの目は、広大な国土に施設される鉄道、大河に掛ける橋梁、オフィスビルの鉄骨また戦争兵器の需要と製鉄業に向けられる。 そして、これを転機にカーネギー自身が移民して来たPittsburge、Pennsylvaniaで製鉄業を営むことなる。 

 カーネギーは、多忙の中幾度と無く、西欧特にEnglandを尋ね、自身の目で、科学工業の進歩を見て歩いた。 カーネギーが当然、驚愕したのはベセッマー式転炉( Bessemer Converter )による大量粗鋼生産の工業化であった。 運良くPittsburgeに買い求めた土地の近くには、ドイツから移民してきた若干20歳程の兄弟Andrew and Anthony Klomanが設立した小さな蒸気エンジンを備えた溶解炉と木製ハンマーを装備したのみの鋳物を製造するPittsburge都市鉄工所 ( Iron City Forges )があり、他に何社かのironwork Industriesが操業していた。 

 カーネギーはこれら製鋼所の内、the Iron City Forgesとthe Cyclops Iron Comapanyを買収し、the Upper and the Lower Mills of the Carnegie、Phipps and Company、Limitedとし、これにBessemer convertors法を導入し米国で品質の悪いsteelを改善し新しく大量の廉価な品質の良いsteelの生産に乗り出す。 そして巨万の富を築くことになる。 

 1901年にカーネギーはEnglandで親交のあったNew Yorkの金融財閥 J.Pierpont Morgan に全ての資産を売却し事業の一切から身を引くことになる。 the Carnegie Companyはその後、the United States Steel Corporation と社名が変わり現在に至っている。 カーネギーは、その後、遺族に何がしかの遺産を残し、全財産を社会のために寄贈する。 私たちがよく知っている、世界中に3000以上のカーネギー図書館、数多くの音楽堂カーネギー・ホール等、幾つかの大学「カーネギー・メロン大学( Carnegie Mellon University )」の設立、カーネギー財団等がある。 

 カーネギーの書「富と福音( theGospel of Wealth )」の中で「金持ちのまま死ぬ者は、優雅ではない」と晩節を振り返っている。 またカーネギーが過ごしたPittsburgeは過去の重工業地帯ではなくなり、嘗ての「煙の町( smoky city )」の汚名を返上し、新しく生まれ変わり、金融、コンピュータ関連の優良企業の高層ビルが立ち並ぶオフィス街となり、今では誰もが憧れる都市となっている。 1998年に、埼玉県のさいたま市と姉妹都市の関係も結び、「緑の街の環境作り」のキャンペインにも力を注いでいる。

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